kbkrplanningのブログ

@kbkrplanning の補助的な文章置き場です。

限界*れ~るとりっぷ第1話(仮) かいかつ*とりっぷ

限界*れ~るとりっぷ構想の試験的SSです。

まだ原作をお読みでない方は先に読むことをおすすめします。

 

星祭とわ「今日の集合は夜9時30分……こんな遅くから何をするんですか?」

小川琥珀「生徒会長として示しがつかないよ……」

天満そら(夜遅くに先生と一緒……って何考えてるの私のへんたい!)

宮沢まひろ「私が引率してるので安心してください!今日は夏休みの遠征に備えて広義宿泊の練習をしたいと思います!」

3人「広義宿……???」

宮沢みかげ「お姉ちゃん……教育者としてどうなの……??」

まひろ「でも東京には広義宿を寮代わりにしてる学校もあるそうですよ、私たちと同じ東北からも転入生がいるって聞きましたよ~」

そら「ところでこれからどこに行くんですか?」

まひろ「今日は快活CLUBの4号名取店に泊まるので館腰駅まで行きますよ」

そら「館腰ということは仙台空港行じゃなくて東北本線常磐線に乗らなきゃですね」

まひろ「そうです!そらさんよく覚えててえらいですね!」

そら「えへへ(先生に褒められちゃった……!)」

まひろ「あと、仙台シティラビットは通過するので要注意ですね」

琥珀「こんな夜遅くに快速はない……」

とわ「今から乗るのは常磐線の21時38分発新地行ですか?」

まひろ「その通りです!」

みかげ「みんな順応早くない?」

 

乗車

まひろ「館腰に到着です!」

そら「仙台から近いのに小さな駅ですね」

まひろ「国鉄末期にできた比較的新しい駅ですからね、これでも仙台空港アクセス線の開業までは空港最寄駅だったんです!」

みかげ「お姉ちゃん、夜遅いから静かにした方が……」

琥珀「もうすぐ10時、眠くなってきた……」

まひろ「早く広義宿に行きたいところですが、今日はゆっくり行きましょう」

とわ「どうしてですか?」

まひろ「後で分かります♪」

とわ「ちょっとそこのセ●ンイレ●ンに寄ってもいいですか?」

まひろ「いいですよ、快活は持ち込みOKになりましたから!」

そら「さっきから出てくる快活っていったい何なんですか?」

まひろ「行けば分かります♪」

 

徒歩

琥珀「車通りは多いけど周りの工場は真っ暗でちょっと怖いよ……」

まひろ「大丈夫です、もう着きますよ」

とわ「あ、オレンジの眩しいお店?」

琥珀「広義宿ってネットカフェのことだったんだ」

まひろ「10時半、丁度いい時間ですね。今日はここの8時間ナイトパックを使ってみましょう。1泊たったの1500円くらいで皆さんは学割も使えますよ!」

とわ「ネットカフェって初めて来たわ」

そら「私も、琥珀先輩は?」

琥珀「何回か行ったことあるけど泊まるなんて考えもしなかったよ」

そら「みかげちゃんは?」

みかげ「お姉ちゃんに連れられて何度か……」

 

入店

まひろ「全員フラット席の連番で取れましたよ、ラッキーですね!アプリで確認しておいてよかったです」

そら「ジュースやお味噌汁が飲み放題なんだね」

まひろ「とわさん、ソフトクリームも食べ放題ですよ!」

とわ「ソフトクリーム!」

まひろ「深夜はメンテナンスになることがあるので早めに食べましょうね」

琥珀「読み放題の漫画もたくさんあるよ」

まひろ「では、朝まで皆さんおやすみなさい、あ、朝は6時前に起きてくださいね」

みかげ「みんなそんなに早く起きられるかな?」

まひろ「みかげも漫画たくさん持ってきて楽しそうですね」

みかげ「これは別に……」

 

深夜

まひろ「ん~、、、次は~○×△……」

そら(個室だから緊張しなくて済むと思ったのに、隣の先生の部屋の音がうっすら聞こえてねむれないよ~)
  
  (壁が低いから立ち上がったら隣の部屋が見えるかな、って、だめだめ!)

 

まひろ「みなさん、6時になりますよ」

とわ「……まだ眠いわ……」

そら(……結局あんまり眠れなかったな……)

まひろ「快活では朝6時からポテトとトーストが食べ放題なんですよ!」

琥珀「駅からゆっくり歩いたのは、これを8時間パックに収めるための時間稼ぎだったんだね」

まひろ「そういうことです!」

とわ「普通のポテトよりちょっと固いけどおいしいわ、ケチャップもかけ放題なのね」

まひろ「そろそろ帰る準備も始めますよ」

 

解散

まひろ「全員7時間58分で退店できましたね、どうでしたか?」

とわ「変な姿勢で寝たので首が痛くなったけど、ソフトクリームとポテトはまた食べたいです」

琥珀「パソコンで駅メロを聴きながら眠れてよかったよ」

そら「あんまり眠れなかったけど(先生が楽しそうだったので私も)楽しかったです」

まひろ「みんな気に入ってくれてよかったです。今後の遠征での旅程の幅が広がりますね!」

みかげ「鉄道部、いったいこれからどんな旅行するの……?まあみんながいいならいいけど……」

続くかもしれない

八丈島青ヶ島渡航3日目(2月1日):池之沢訪問

前回から1カ月執筆をサボりましたが続きを書きます。

青ヶ島で1泊して次の日はカルデラ内部の池之沢を訪問しました。1時間くらいで着きそうだったので集落から歩きましたが、普通はレンタカーで行くようです。集落から東側の道を進み、しばらく歩くと右手にカルデラが見えてきます。それから外輪山を貫くトンネルがあります。

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急な坂道を下ると自動車整備場、建設会社の倉庫、コンテナ置場など産業関係の建築物がいくらかあります。周辺には農地もみられ、明日葉などの野菜が栽培されています。f:id:kbkrplanning:20200406002733j:plain

カルデラということで、360度山しか見えません。

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さらに進むと港へと続くトンネルの入口があります。ひたすら真っすぐで下り坂のトンネルです。現在通行可能な港への道はこれしかなく、あおがしま丸が入港した際には多くの車が往来すると思われますが、欠航続きのこの日のトンネルでは風の音しか聞こえませんでした。

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車道からカルデラ中心側に入るとキャンプ場があります。暖かい季節になるとここに宿泊する観光客も多いようです。後述する窯とサウナが利用できるので野宿するのも楽しそうではあります。

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キャンプ場近くに地熱で水蒸気が噴出する穴「ひんぎゃ」を利用した窯があります。鹿児島などでもよく見られますが野菜などを蒸かして食べることができます。この辺りは地面も地熱で天然のホットカーペットになっており、星見に最適だそうです。

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さらにその隣にはサウナがあります。勝手に300円を払って浴室に入る仕組みで、基本的には無人のようです。入口には池之沢では貴重な自販機がありました。14時に開店凸したのになぜかおじさんが脱衣所のソファで寝ていました。

青ヶ島では地熱は豊富ですが地下水が少ないので温泉ではなくサウナになっています。サウナは47℃くらいで比較的入りやすいです。井戸水を地熱で沸かした湯船もありましたが、こちらも47℃くらいあってとてもではないけど入っていられませんでした。

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サウナの横には地熱を利用して海水を沸かし塩を採取する工場があります。脱衣所のおじさんによると運が良ければ見学できるそうですが、誰もいなさそうだったのでやめました。

カルデラ中央部の丸山は簡単にお鉢巡りをすることができます。道は比較的よく整備されていました。この日は島の小学生も遊びに来ているようでした。途中に富士様と呼ばれる神社があります。これは大噴火後に池之沢の女性などの入域制限を緩和し、農地での労働力確保のために建立されたものです。

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山から降りると数人の小学生と先生が近くの畑で掘って蒸かしたというサツマイモを食べていました。通りかかっただけなのにイモを分けていただき、島についても教えていただきました。当然ながら先生は本土からの赴任で、生徒も約半数が先生方のお子さんだそうです。地元出身の生徒も中学を卒業すると島を出ることになりますが、多くは八丈島ではなく本土まで出てしまうそうです。

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夕刻になって、歩いて集落へ戻っているとまた別の先生が車で送ってくださりました。勝手に限界な行為をしているだけなのに親切にしていただいて申し訳ない限りです。

宿の夕食は明日葉天そばを中心とする豪華なメニューでした。居酒屋の客は今日もいないようでしたが、訊いてみたら基本的に夏場しか酒場に来る人はいないそうです。

この日は疲れてすぐに寝てしまいましたが、午前4時くらいに起きてみると雲が部分的に晴れていて多少は星が見えたので少し写真を撮りました。もっとも、空気に湿気が多くて青ヶ島の星空本領発揮とはいかなかったようです。

「恋する小惑星」アニメ完結したので全体的な感想

皆さんご存知の通り(?)今期僕が最も楽しみにしていたアニメ「恋する小惑星」が広義昨日に最終回を迎えましたので、アニメに関して感想文を残しておきたいと思います。

 

一言で表現すれば、今後の物語の可能性も感じさせつつ、登場人物の1年半での成長を印象的に描いた素晴らしいアニメだったと思います。
小惑星の発見というゴールから考えると物語はまだまだこれからといった感がありますが、きらチャレを終えて登場人物のこれまでの成長が感じられ、1クールのアニメとして非常によくまとまっていたように思います。
僕が恋アスを知ったのはブレンド・Sのアニメでキャラットを手に取ったのがきっかけで、当時は「理想の地学部」像がすごくリアルな作品だなぁという程度の印象だったのですが(ちゃんと1話から読まなかったからですが)、徐々に夢と成長を描く物語だということが分かってきました。
地学部員一人一人には夢や好きなものがそれぞれあって、それらが有機的につながるのが宇宙みたいだというのは終盤にみらが言及していました。地学はよく物理・化学・生物の応用部分の寄せ集めだと言われますが、それらが地球や宇宙の中で共存しながら種々の現象を起こすわけで、多様な分野の知見を融合させながら自然を読み解いていく地学の面白さとみらのセリフがリンクしていると思いました。
12話一番最後のセリフは小惑星に手が届いて一歩踏み出したことが強く印象付けられて感動的でした。
他の登場人物も、イノ先輩、桜先輩は好きなものに素直になって新しいことに挑戦したり、モンロー先輩も天文部で孤独だったところに夢を語れる仲間ができて(たぶん)これから夢の実現に一歩踏み出したりと、それぞれの出会いによる変化と成長がみられるストーリーでした。
自分の好きなことには真っすぐに、お互い刺激し合いながら相手の「好き」も全力で応援するの理想の文化部って感じがしてすごくいいですね。
12話後半のアニオリ部分ではナナチカちゃんも興味の広がりや小惑星探しの応援をしようという意思が強調されていて嬉しかったです。個人的にはナナちゃんには「面白い」を大切にしつつも防災で何か大成してほしいです。
しかし「歩いていこう!」の歌詞はこの最終回まで見込んで書かれたんですかね?このアニメの本質が凝縮されているように思います。
自分は一応高校時代に地学部の副部長をやっていましたが、主に生徒会と生物部に入り浸っていたのでもっと主体性を持ってやっていたらなぁと思う今日この頃です。(隙自語)(当時から宙のまにまには好きだったのでちゃんとした地学部のイメージはあったんですが)

 

表現技法も特徴的で、全体を通していい意味できららアニメらしからぬ表現が多々見られます。
キャラデザや背景美術など現実にかなり近く、実際の地球科学に忠実なアニメを作るという意思が感じられます。
原作はあくまできらら4コマなので漫画的なギャグ表現が少なくなく、それはそれでテンポよく読みやすいのですがリアル寄りのアニメの世界とは必ずしも馴染まないかと思います。
駄々をこねるあおなど映像として見てみたかった気はしますが、空想のものはできるだけ排することで綺麗なドラマに仕上がったのだと思います。
一方で2話のガウスのくだりなど解説上必要なものは雰囲気を壊さないよう効果的に使われています。
特に温泉の木目で化石海水について説明する描写は秀逸でした。2話はカニの被り物の桜先輩も夜空に描かれたりと可愛い表現も多かったですね。
後半は円盤の1巻ブックレットの受け売りのようになってしまいましたが、様々な工夫の結果本当に完成度の高いアニメになっていると思います。

 

学生最後のこの3カ月、期待以上の素晴らしいアニメを見ることができてよかったです。
だいぶ先のこととは思いますが2期も一つの希望として、引き続き原作を楽しんで布教も進めていきたいと思います。
自分の周りでも普段あまりアニメを見ない人も含め幅広い関心を集めているようで嬉しい限りです。
今後とも皆さんで恋アスを応援していきましょう!

広義今日発売のきららキャラットには石垣島編の続きの話が載っています。みらあおの地質知識の成長と宇佐美さんの素性、ナナチカちゃんのかわいさ溢れる回でした。外出自粛の昨今でもcomic FUZの月額プランでいち早く読めるのでぜひ!(ダイマ

八丈島青ヶ島渡航2日目:青ヶ島上陸

翌朝(1月31日)は東京から持ってきたパンで朝食を済ませ、八丈島空港へ向かいました。今日はいよいよ日本最少人口の村、青ヶ島に渡ります。

青ヶ島へ渡るには船(あおがしま丸)とヘリコプター(東京愛らんどシャトル)の2つの方法があります。所要時間はそれぞれ約3時間、約20分ですが、運賃はそれぞれ約2500円、1万円強です。それぞれ波風、視界不良に弱く、概ねヘリの就航率の方が高いのですが6月頃は逆転します。冬場は船の就航率が50%を切ることもある一方でヘリは例年95%程度の就航率を保つため今回は思い切って往復ヘリとしました。

昨日購入した「バスパ」が2日間有効なのでバスで行こうと思いましたが、バス停での立ち位置が悪かったのか無視されたため歩いて向かいました。だいたい40分くらいで空港に到着しました。

これから乗り込む青ヶ島行のヘリは定員9人で、すぐに予約が埋まってしまうことで知られていますが1月2日に予約した時点ではこの日だけ席に余裕があるようでした。搭乗手続きが始まったので並んでいると、青ヶ島の建設会社の方に声を掛けられ、船が欠航続きで運べないのでワイヤーを手荷物に入れてほしいと頼まれました。たまにこういうことがあり、航空会社も承知しているようです。

搭乗手続きでは体重を自己申告し、全手荷物の計量があります。ここで5kgを超えると追加料金を取られますが、ほぼ全員超過するようです。僕も旅行中の作業を諦めパソコン類は置いてきたもののワイヤー分除き2kg超過でした。ヘリ内部は狭いのでハンドバッグ等を除いて手荷物を受託する必要があります。

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通常の空港保安検査を抜け、歩いてヘリに乗り込みます。ヘリ内は自由席で、窓側席は4人分ありました。その後ヘリは滑走路まで自走し直上に飛び立ちました。ヘリ内では扉が閉まってから上昇が完了するまで全電子機器の電源を切ることが求められ、素人には上昇官僚のタイミングが分からないためその様子を記録するのは困難です。写ルンですなどを持ち込めば静止画は撮れると思います。

ヘリはあっという間に青ヶ島ヘリポートに着陸しました。降り立つとヘリのプロペラによって暴風が吹いています。ヘリポートにはコンクリートの小屋があるのみで、受託手荷物の引き渡しは外で行われました。時刻表ではヘリの青ヶ島滞留時間は5分で、慌ただしく八丈島へ向かう旅客を乗せて飛び立っていきました。ヘリの姿が小さくなるにつれて、島は静寂に包まれました。この時八丈島へ向かった人の中に西洋人観光客の家族がいました。よくこの島を知ったものだと思いましたが、最大手の旅行会社には日本に相当精通した人もいるでしょうから絶対無理な話でもないのでしょう。

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さて今回お世話になる民宿へ向かったところ、誰もいないようでした。この日は曇時々雨予報でしたが、とりあえず天気が良かったので先に島の最高峰で眺望を楽しむことにしました。

青ヶ島最高地点の大凸部は標高423mですが、集落も標高300m弱の台地上にあるため20分程度歩けば行くことができます。登山道の状況もまずまずで、特に装備などなくても問題なさそうでした。この大凸部と尾山展望公園から島の最大の特徴である二重カルデラを望めます。

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星空と火山の島ということで

その後宿に荷物を置き、集落周辺を回りました。

まずは島内唯一の商店、十一屋酒店さんです。食品に限らず生活必需品が揃っておりお土産も買えます。船は欠航続きでしたが、目立って欠品しているものは特にありませんでした。絶海の孤島あるあるですが、冷凍品と長期保存パンの品揃えは充実していました。島内宿泊者は多くの場合宿で昼食を用意してもらうようですが、今回の宿は昼食がなかったため僕がパンやカップラーメンなど買うと不思議そうな顔をされました。

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次に小中学校の前を通りましたが、細部の写真など撮るわけにもいかないので学校前の信号機の写真です。どう考えても信号が必要な交通量ではありませんが、子どもたちに信号の概念を教える狙いもあるのでしょう。後でこの学校の先生に聞いた話ですが、現在の全校生徒は10人で、半数ほどは赴任してきた先生のお子さんだそうです。中学卒業後は八丈高校への進学者もいますが、多くは東京本土への進学とのことでした。学校は新しく綺麗な建物に見えました。

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学校の隣に公共施設群があります。役場もここにあり、村役場としては普通の規模に見えます。いくら人口が少なくても自治体として独立している以上は一定数の職員が必要なため、村民の公務員率はかなり高いものと思われます。

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このあたりで雨が降ってきました。島の天気は非常に変わりやすく、素人には風向き側の雲の様子を見て短期的な予測をしながら動くほかありません。雨が降り出してもすぐに止むことが多く、天気の子ごっこには最適な場所だと思います。この日の雨はいずれも小雨程度だったので、散策を続行しました。

集落からは10分ほど歩きますが、名主屋敷跡です。球状の石垣は八丈島にも見られる特徴的なものです。道路から少し下った場所にあり、獣道が一応ありますがそれなりに足元が悪いので特に夏場は注意すべきかと思います。

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次は尾山展望公園へ向かいます。取水場の脇を通りますが、道なりに歩くと取水場の管理通路に入ってしまうので標識に注意して進みます。上り坂の分岐から15分ほどで展望公園に着きます。

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集落方向を見ると、斜面が青緑色の塗料で覆われています。台地上の集落では河川もなく地下水もあまり得られないため、この塗料部分に降った雨水が処理され簡易水道として供給されています。また電気は集落内の内燃力発電所から供給されています。

展望公園への分岐点付近には還住の碑があります。これは江戸時代後期に青ヶ島で大噴火が発生した際に八丈島へ避難し、復興を成し遂げたことを記念するものでその経緯についてはWikipedia文学として

還住 (青ヶ島) - Wikipedia

に記述されています。

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今回お世話になったのは民宿杉の沢さんです。ここにした理由としては居酒屋併設で色々な話が聞けそうだったこと、ネットに学生さん歓迎と明記されていたことがあります。若者が一人旅館に泊まると変な反応をされることもあるのでこう書いてあると安心です。予約は1月2日に往復のヘリを予約してからすぐに電話しました。

宿泊したのは離れで、ネット環境こそないものの綺麗でアメニティも揃っていたので満足でした。この日は僕の他に不動産鑑定士の方がお仕事のため泊まっていました。他の予約客は船の欠航のためキャンセルということで、交通事情によるキャンセルは柔軟に対応してもらえるようですが、やはり就航率の高い交通手段を利用する方が歓迎されるようです。

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食事は居酒屋の席でとることになります。どうしても多くの食材は本土から輸送されたものになりますが、明日葉など島の特産品も出していただけました。緑黄色野菜はあまり得意ではありませんが、甘い味付けで美味しくいただけました。

食後はテレビを見ていましたが青ヶ島は東京都なので放送局は東京本土と同じです。当然TOKYO MXも映り、この日は金曜日だったので22時半から恋する小惑星を見ることができました。その後は歩き疲れてすぐに寝てしまいました。

八丈島青ヶ島渡航1日目:八丈島散策

朝9時過ぎに底土港に到着しましたが、八丈島は他の離島と違ってメインの港と市街地の距離が離れており港の近くにはダイビングショップなどがあるだけです。そのためレンタカーなど借りるのが便利なのですが、例によって徒歩と公共交通しか使うつもりはありません。とりあえず市街地に向かって歩くことにしました。

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歩道は島の特産と思われる玄武岩のブロックで整備されており、ヤシ科の樹木やハイビスカス、アロエなどが植わっていて南国の火山島の雰囲気が漂っています。

市街地まで適当に歩いていたらバスに丁度良い時間となったので乗り込み、1000円でバス乗り放題、指定の温泉に入り放題の「バスパ」を購入しました。町営バスで市街地から離れた温泉に入りに行き、戻ってくるだけで元が取れるのでおすすめです。

離島のバスはだいたいガラガラな印象がありましたが、ここのバス車内は窓側席がほぼ埋まるほどで、大半の乗客は町立病院で降りていきました。僕は観光協会のある旧役場前で下車しました。

観光協会で道を尋ね、歴史民俗資料館を訪問しました。最近八丈支庁の建物に移転したようで綺麗です。入館料は100円かかりますが、シルバー人材センターの名札を下げた方が丁寧に解説してくださいました。一つ何気ない質問をしたのですが、わざわざ教育委員会まで問い合わせてくださり、却って恐縮してしまいつつも大変充実した時間を過ごせました。

八丈島流刑地として知られていますが、それに関連する苦難の歴史、稲作などの困難さ、その一方で流人など移住者の知見も手伝って伝統工芸や酒造など独自の文化が発達したこと、地形的要因から離島には珍しく水資源が豊富であることなどのお話を伺いました。

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歴史民俗資料館

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市街地から望む八丈富士

資料館でゆっくりしすぎてバスが行ってしまったので、しばらく歩くことにしました。目指すは島の西海岸、南原の千畳敷です。その前にスーパーあさぬまで昼食を調達しました。島内ではかなり大きなスーパーで、品揃えは本土とほぼ変わりません。地魚の刺身が売っているので

途中で階段状の井戸を見つけました。同様の遺構は島の各地に残っています。

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南原千畳敷は意外と遠く、大賀郷の市街地から徒歩50分はかかりました。八丈島は大きく分けて三原山の噴火とその後の八丈富士の噴火、二度の噴火で形成されましたが、これは八丈富士の噴火の際に出た玄武岩でできた溶岩台地です。近くには八丈小島が見えます。小島までの距離は6㎞とのことですが、海流が激しくそう簡単には渡れないそうです。ちなみに、小島は地理的に近い八丈富士ではなく三原山の噴火とともに形成されたそうです。

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八丈小島忘れじの碑

八丈小島有人島でしたが、1969年に全島移住があり現在は無人島です。島の生活環境などは

八丈小島のマレー糸状虫症 - Wikipedia

に非常に詳細に書いてあります。写真の碑は比較的最近にできたもののようです。

さてバスの時間が近づいたので市街地に戻り温泉へ向かいます。今回は島の南端、末吉のみはらしの湯に入ることにしました。バスは三原山の外周の険しい地形をトンネルや陸橋で越えてゆきます。

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この温泉ではお風呂から島の南方の海が見え、天気が良ければ青ヶ島も望めます。湧いているのは50℃弱の塩化物泉で、冬には最適です。露天風呂はぬるめなのでいつまでも入っていられます。近くに地質展示館があったことを上がってから知りました。ちょっと行ってみたかったです。

バスで市街地に戻り、今日の宿は底土港近くのシーダイブさんです。その名の通りダイビングショップ併設で、冬はかなりのオフシーズンだと思われますが4組ほど泊まっていました。ドミトリーで2500円だったのでコストパフォーマンスとしてもかなり優れている方だと思います。

チェックイン後に市街地へ買い出しに行きました。スーパーと、途中で本屋さんを見つけたので入ってみました。置いてある本は本土の商店街の本屋さんといった感じです。日刊ではありませんが地域紙を見つけたので応援の意味も込めて購入しました。

余談ですがこの日利用した施設はほとんどPayPayなどのキャッシュレス決済に対応していました。営業の人が来島したのでしょうか。

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この日の宿、シーダイブさん

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月2回発行のローカル紙、南海タイムス


その後はスーパーの総菜を食べ、共用部の漫画を読むなどして過ごしました。ここに来るまで知らなかったのですが、八丈島の生活を描いた漫画もいくつかあるようです。

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八丈島青ヶ島渡航0,1日目:出港~八丈島到着

一月以上前のことになりますが、八丈島青ヶ島を訪れたのでTwitterに書けていないことも含めて感想を記しておきたいと思います。

往路は1月29日の晩、竹芝桟橋から船で八丈島へ渡りました。東京と三宅島、御蔵島八丈島を結ぶ橘丸は竹芝22時30分発です。遠方へ旅行する際には夜に出発することも多々ありますが、向かう先が鍛冶橋でもバスタ新宿でもなく港ということで一層旅情が掻き立てられます。竹芝桟橋浜松町駅から徒歩10分程度で、現在歩道橋の工事がなされているためよりアクセスが向上するものと思われます。

橘丸の運賃は八丈島まで学割で2等船室6740円、Suicaで払えてしかもキャッシュレス5%還元対象でした。一応予約必須ですが、今回は閑散期なので2日前に電話予約しました。

僕は2年前にも父島へ行くために竹芝桟橋を訪れましたが、多くの観光客で賑わっていたその時と異なり、静かな時間が流れていました。

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大島~神津島行のさるびあ丸の方がなぜか22時発と早い出発です。どちらの船も早めに来ているお客さんが多かったですが、割とギリギリまで乗船可能なようです。

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今回乗船した橘丸

予想通り船内はガラガラで、2等でしたが1区画占有できたので抜群の快適性でした。甲板へ出てみると、東京湾岸の夜景を鑑賞できます。乗客には観光客らしい人は少なく、はしゃいでいるのは数人でした。

橘丸は塗装も綺麗で、船内には新しい船の匂いが漂っていました。

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2等船室

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甲板からの夜景

東京湾内は穏やかでしたが、三宅島と御蔵島は条件付運航となっていました。それもそのはず、外洋に出るとひどい揺れで夜中に何度か目が覚めました。僕はほとんど酔わない方なので特にどうということもありませんでしたが、慣れていないと冬の伊豆諸島航路は厳しいかもしれません。

結局、翌朝は三宅島は三池港に就航、御蔵島は欠航でした。御蔵島は数日欠航が続いているようです。

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着岸ガチャ

御蔵島八丈島の間に黒潮の最も強い流れがあり、揺れが加速しますが甲板に出たり食堂を利用したりするのは問題ないようです。(甲板に出るなり激しい海水のしぶきを浴びたのでおすすめはしません)

船内食堂ではカルビ丼を食べましたが大学生協のペッパービーフ丼に酷似していました。船内の飲食物は割高ですが地上で食べるのの何倍も美味しく感じます。

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御蔵島と朝焼け

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船内食堂のカルビ丼

船はほぼ定刻の9時過ぎに八丈島の底土港へ到着しました。波の都合で島の西側の八重根港に着くこともこの時期には多いようですが、この日は西風のため底土の都合が良かったようです。橘丸は1時間もせずに東京へ折り返すため、そのための作業が慌ただしく行われていました。

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底土港

 

劇場版SHIROBAKOを見てください(ネタバレなし)

旅行記を書くと言いながら最初の記事は表題の通りです。

私が待ちに待っていた劇場版SHIROBAKOが公開されたので観に行ってきました。で、当然ながらかなり良いアニメ映画だったのでぜひオススメしたいと投稿しております。

正直、SHIROBAKOTVシリーズが非常に濃密かつ綺麗に完結しており、続編を作るとなると蛇足感が出てしまうのではないかという懸念があったように思います。

ですが映画を見ると全く杞憂であり、TV同様テンポよく楽しめるようになっていると感じました。

ただ、TVの内容を覚えていないと全く分からないとは言わないまでも、かなり楽しめる度合いは違ってくると思うのでよく予習したうえでの鑑賞をオススメします。

映画館に行くのは憚られるような社会情勢ではありますが、いくら人気作といっても毎回全館大盛況というわけでもないので対策のしようはあるかと思います。お時間があればぜひ。